波立つバルト海

バルト海はもはやモスクワの吹聴してきた「平和の海」ではなくなった。ソ連は八月初めバルト海に、バルト艦隊の艦船、潜水艦だけでなく、北方艦隊、黒海艦隊、太平洋艦隊をぞくぞくと集結させた。この五十余隻のなかには、初めてこの水域に進出したヘリ空母キエフや新造した最大の上陸用舟艇イワン·ロゴフも含まれている。ソ連の海軍はまず八月七日にポーランド国境に近いソ連領海岸で上陸演習をおこなった。つづいて、タス通信は...