足取り定まらぬベルサイユ·サミット

西側世界の経済危機が深まり、国際情勢の動揺が強まりつつある時に、アメリカ、フランス、西ドイツ、イギリス、イタリア、カナダ、日本の七ヵ国首脳がパリ郊外のベルサイユ官殿で一九七五年の初会合いらい八回目の会議を開いた。七ヵ国は意見の食い違ういくつかの問題では、ある程度の妥協をしたものの、多くの実質的対立は解けぬままに残った。アメリカの高金利と為替市場安定の問題　欧州諸国とカナダは、アメリカの高金利政策が...