一九八〇年の春、考古学者が内蒙古自治区烏蘭察布盟卓資県の忽洞壩村で契丹古墳を整理していた際、二十本の象の骨でつくられた方形の小さい棒を発見した。棒は長さ約十二ヤンチ、幅と厚さは約〇·四ヤンチで、両端がわずかに細くなっている。地元の公社員は象牙の箸だと考えていたが、科学者の考証によってわが国だけでなく世界でも最古の計算用具「算籌」であることが分かった。算籌は西暦前十世紀の周時代から使われ始め、そのあ...
Please login first!
一九八〇年の春、考古学者が内蒙古自治区烏蘭察布盟卓資県の忽洞壩村で契丹古墳を整理していた際、二十本の象の骨でつくられた方形の小さい棒を発見した。棒は長さ約十二ヤンチ、幅と厚さは約〇·四ヤンチで、両端がわずかに細くなっている。地元の公社員は象牙の箸だと考えていたが、科学者の考証によってわが国だけでなく世界でも最古の計算用具「算籌」であることが分かった。算籌は西暦前十世紀の周時代から使われ始め、そのあ...