沈寿と南通刺しゅう

南通の［彩錦綉」は民間に伝わる刺しゅう法を発掘、整理したうえで、伝統技法を継承、発展させた新しい刺しゅう、写真もその作品。カラーでお見せできないのがまことに残念だが、あざやかな色どりが目を奪うほど。風景にせよ、図案にせよ、装飾性がきわめて高く、見飽きることがない。とくに見事なのは「仿真綉」。緻密な運針で浮かび上がる人物の膚、髪のつややかさ。鳥獣によって使い分ける色系の豊富なこと、遠近法をとりいれて...