第十七回から老人問題をとり上げて書いてきたが、ふと気が付いて見ると、「老人」問題ではなくなった。なぜかと言うと、六十歳ぐらいの人間は、中国の常識では「老人」だが、日本の習慣では、まだ「中」、「高」年にすぎないからだ。ある先輩がこの点を指摘してくれた時、私はたいへんこまったが、「文藝春秋」(今年の新年特別号の鼎談書評)をめくって見たら、もっとこまるようなことにぶつかった。ある日本の作家が、「六十五歳...
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第十七回から老人問題をとり上げて書いてきたが、ふと気が付いて見ると、「老人」問題ではなくなった。なぜかと言うと、六十歳ぐらいの人間は、中国の常識では「老人」だが、日本の習慣では、まだ「中」、「高」年にすぎないからだ。ある先輩がこの点を指摘してくれた時、私はたいへんこまったが、「文藝春秋」(今年の新年特別号の鼎談書評)をめくって見たら、もっとこまるようなことにぶつかった。ある日本の作家が、「六十五歳...