実質的進展なし

国際通貨基金（IMF）と世界銀行の一九八六年年次総会は十月三日、ニューヨークで閉幕した。同年次総会では、先進諸国の貿易の不均衡と発展途上諸国の債務問題が集中的に討議されたが、人びとを奮いたたせる結果が得られなかった。世界経済の不安定と逼迫の原因の一つとして、主要工業国の間、とくにアメリカ、日本、西ドイツの間の貿易の著しい不均衡が挙げられる。アメリカの貿易赤字は千三百億ドルに達したが、日本の貿易出超...