政局が流動した一九八六年

昨年、全斗煥政権は六年目を迎えたが、最も不安定な年でもあった。政府と反対勢力との衝突は十一月末新たな高潮に達した。十一月二十九日、七万人にのぼる警官と予備役軍人が、ソウル中心の主要な道路をかため、催涙弾やその他の武器で大衆のデモ行進を鎮圧した。この衝突の焦点は改憲にある。一九八〇年、政権を握った全斗煥氏は、憲法を改正し、大統領は「大統領選挙人団」による間接選挙で選出され、任期は七年と決めた。こうし...