新劇「曹植」―兄弟殺し合いの物語

舞台は大きな古代帝王の墓、幕の代わりにかたく閉ざされた石造りの観音開きの扉がしつらえてある。扉の両側は高い石碑で、その表面に文官、武将の像が彫られている。落日の残光であろうか、かすかな光がかなたの山の頂から、ほの暗い墓の門を照らし、神秘で物悲しい雰囲気を醸し出している。灰色の墓の扉がおもむろに開かれるにつれて、重々しく、かすかな古典音楽の音の中で、古代の服装をまとった人物が登場する。ハルビン話劇院...