内装を新たにしたばかりの保利劇場の前列に坐わり、精神を集中させて中央楽団のポップス曲演奏に聞き入る五十余歳の男性、北京「レストラン蘇東坡」の店主張達さんである。そばにこしかけているのは、その妻と二人の娘。音楽会のチケットは一枚五十余元で、ほとんど一般の中国人の月給の六分の一にあたる金額であるが、張達さんにとっては、はした金にすぎない。一九八五年、張達さんは北京動物園西側の紫竹院公園に最初の「レスト...
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内装を新たにしたばかりの保利劇場の前列に坐わり、精神を集中させて中央楽団のポップス曲演奏に聞き入る五十余歳の男性、北京「レストラン蘇東坡」の店主張達さんである。そばにこしかけているのは、その妻と二人の娘。音楽会のチケットは一枚五十余元で、ほとんど一般の中国人の月給の六分の一にあたる金額であるが、張達さんにとっては、はした金にすぎない。一九八五年、張達さんは北京動物園西側の紫竹院公園に最初の「レスト...