職業柄、わたしは感性的印象をとらえることに慣れている。しかし、不思議なことがひとつある。それはわたしが日本へは何回も行き、日本人の友人も大勢もっており、また一生のうち、日本と切り離せない出来事にたくさんぶつかっているのに、日本に対する印象が依然としてぼやけて、とりとめがないことである。わたしは今年七十一歳になった。一生のうち、長い間わたしをとまどわせ、理解に苦しませたことはそう多くはないが、日本は...
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職業柄、わたしは感性的印象をとらえることに慣れている。しかし、不思議なことがひとつある。それはわたしが日本へは何回も行き、日本人の友人も大勢もっており、また一生のうち、日本と切り離せない出来事にたくさんぶつかっているのに、日本に対する印象が依然としてぼやけて、とりとめがないことである。わたしは今年七十一歳になった。一生のうち、長い間わたしをとまどわせ、理解に苦しませたことはそう多くはないが、日本は...