この春、北京市民政局福祉課の職員の呉蓓さんといっしょに、北京市児童福祉院を訪れた。北京の北西郊外にある清河鎮で、にぎやかな自由市場の一角を通りぬけた私たちの車は、静かな小路地へと入っていった。少し進むと、呉蓓さんはそう遠くない前方の四階建ての建物を指さした。それが北京市児童福祉院であった。白い壁、濃緑色の瑠璃瓦の屋根―それはどこにでもあるような、ごく普通の建物である。だが、ここは二百人余りの孤児に...
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この春、北京市民政局福祉課の職員の呉蓓さんといっしょに、北京市児童福祉院を訪れた。北京の北西郊外にある清河鎮で、にぎやかな自由市場の一角を通りぬけた私たちの車は、静かな小路地へと入っていった。少し進むと、呉蓓さんはそう遠くない前方の四階建ての建物を指さした。それが北京市児童福祉院であった。白い壁、濃緑色の瑠璃瓦の屋根―それはどこにでもあるような、ごく普通の建物である。だが、ここは二百人余りの孤児に...