私の本棚に木下博民さんの著書七、八冊が並んでおり、あわせて三百万字もあるものだ。日本の旧軍人、捕虜だった木下さんは日本に引き揚げてから実業家となり、その後かずかずの著書を書き著し、作家として活躍している。私と木下さんとの出会いは一九八八年で、当時の木下さんはNEC電気カルチャーセンターの社長であった。木下さんから、「突然お手紙を差し上げて申し訳ありません。日本であなたの長編小説『風媒花』を読ませて...
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私の本棚に木下博民さんの著書七、八冊が並んでおり、あわせて三百万字もあるものだ。日本の旧軍人、捕虜だった木下さんは日本に引き揚げてから実業家となり、その後かずかずの著書を書き著し、作家として活躍している。私と木下さんとの出会いは一九八八年で、当時の木下さんはNEC電気カルチャーセンターの社長であった。木下さんから、「突然お手紙を差し上げて申し訳ありません。日本であなたの長編小説『風媒花』を読ませて...